コラージュニスト沙織です。
この夏、広島個展の流れで山陰地方を一人旅した記録④です。
《自分に還る旅①出雲大社》はこちら
《自分に還る旅②足立美術館》はこちら
《自分に還る旅③倉敷/美観地区》はこちら

「人はなぜ想いを、形として残したがるのかな?」
そんな問いからはじまる美術鑑賞。
倉敷ではまず大原美術館へ立ち寄った。
美術館の創設に貢献した児島虎次郎のオリエントな油彩画はとても惹かれる。光の表現や装飾美もさることながら、橙色の使い方がとても美しいと感じた。
エル•グレコは修復中で観れなくて残念だったけど、本館の巨匠作品たちは言うまでもなく圧巻。
足立美術館でも感じたことなのだけど、巨匠作品をみているとこんな言葉が浮かんできた。
〝表現しないことも、ひとつの表現である〟
「目に見えるもの」の奥にある、「目に見えないもの」を形にして残した芸術家たち。
その作品たちは物質でありながら纏うものはヴェールのような空気感であり、重要なメッセージは表現されていない余白部分にあるように思う。
そしてそれは今を生きるわたしたちの日常的なコミュニケーションにも通ずることだと思う。
わたしたちは案外、重要なことは直接的な言語表現以上にその空気感や目に見えない感覚によって全体像を捉えているし表現している。
あえて表されていない部分で想いを伝え語りあっている。
だから「表現」は、する側もされる側も、勘所をつかむセンスが求められるよね…
想いや感性を形にすることは生命の営みそのもの。
表現や創造は、
生きとし生けるものへの敬意であり
自らとの対話であり
世界の安寧に捧げる「祈り」であり
尊さを結んでいくための意思表明なのかもしれない。
最終回⑤につづく




次回の個展@東武船橋
「沙織コラージュアート展 -光の道-」
会期:9月18日(木)〜24日(水)
(最終日16時閉場)
会場:東武百貨店船橋店5番地5階美術画廊
《在廊日》
沙織:全日程在廊予定
「空間に“深呼吸”を招く蓮池のaiiroシリーズ」
月明かりが水面に溶け、睡蓮が静かに揺れる夜。深く澄んだ青の中に、小さな光が星のように瞬きます。
アクリルガッシュを幾重にも重ね、光と影が織りなす水面の奥行きと煌めきを表現しました。
月明かりがにじむ青のグラデーションは、見る人の心を自然と穏やかに整えるとご好評をいただいています。
リビングや寝室に飾れば、忙しい日々の中でも深呼吸できる時間をふっと思い出させてくれるでしょう。

左:「こころの聖域」SM / aiiroシリーズ / ¥66,000
右:「こころの静穏」F0 / aiiroシリーズ / ¥49,500

左:「Beautiful Day」F8 / aiiroシリーズ / ¥385,000
「星々が希望の灯りとなる舟のコラージュ」
星々の光に導かれるゴンドラ。時間や現実を超えて魂が安心して旅を続ける様子を描きました。
金色の月と流れ星は、不安な波間を照らす「希望の灯り」。「大丈夫、光に導かれて進める」という祈りが込められています。
手のひらに収まるサイズ感で、一日の終わりにふっと目に入るたび、安心と希望を思い出させてくれる「お守りのような存在」をお届けします。

「月の舟-shooting star-」 10×10cm / コラージュアート/¥38,500
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