こんにちは、コラージュニスト沙織です。 当アトリエでは、貼り絵技法の「コラージュアート」と、アクリルガッシュとパステルで描く抽象画の「aiiroシリーズ」があります。 どちらもそれぞれに特徴的な魅力があるのですが、今回はaiiroシリーズについてお話いたします。
aiiroの原点となる色「インディゴブルー」
aiiroというシリーズ名には ・藍色 ・愛の色 ・I(わたし)の色 という3つの意味があります。 藍色(インディゴブルー)は人々の奥底にある深い記憶を呼び覚ます色で、日本人には藍染めなどを通じて古来より馴染み深い色でもある。 カラーセラピーの観点では「内観の色」「直感力を高める色」で「精神性を研ぎ澄ます色」です。 私がaiiroシリーズの原点となる作品を書いたのは美大生の頃。
作品名:「雨色金平糖」 40号程のサイズで、深いインディゴブルーのグラデーションにパスタやドライフラワー、貝殻などをコラージュした作品。
思いっきり絵具を画面に流し込み、ブルーをじわじわ滲ませながら描くことによって生まれるグラデーションが心地よく、自分の中で行き場をなくした様々な感情が溶けていくようでした。 それまで言葉にならなかった想いや、形もなくつかみどころのない心象風景が色とともに表出して「作品」として姿を見せてくれました。 目に見えないけれど確かに存在していたものに「色と形」を与えていくプロセスにおいて 「ああ、だからあの時こんなことを思ったんだ」 「それであの時こうしたんだ」 「あの感情って自分では醜いものだと思っていたけど色にしてみたらこんなに綺麗だったんだ」 と、かつての記憶と結びついて昇華していく体験をしたことにより、色彩がもつ不思議な魅力の虜となりaiiroシリーズが誕生しました。
「ブルー」は感情を洗い流す水
色は私たちの感情と密接に結びついてポジティブな影響を与えてくれます。 中でも「ブルー」の浄化力は、穏やかながらも確実に染み渡るよう作用します。私自身、何度ブルーに救われたことか… aiiroには水を描いた作品がたくさんありますが、それは万人共通の無意識下において 「水」は感情をあらわしているからです。 時として、雨だったり海だったり瀧だったり… 変化する感情の姿を描いています。 「ブルー」は 仕舞い込んだ想いを解放する呼び水となり、す〜っと溶かして洗い流してくれます。 aiiroは心の色。 私がかつて色に救われたように、誰かの心も解放してくれますように…と願いを込めて描いている作品シリーズです。
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