こんにちは、コラージュニスト沙織です。
今日からブログ内で沙織の徒然エッセイ〜沙流彩々〜をできるだけ毎日更新する予定です!
インスタと併せてどうぞお楽しみください♡
「香りの記憶」
先日、訪れたお店で出逢ったジェムエッセンス
のひとつがとても懐かしい香りがした。
その瞬間はなんだろう?とわからなかったけれど、気になったのでエッセンスを購入しアトリエに戻って再びシュッと吹き掛けてみると…
「あ!小学生の頃、通学路に咲いていた甘〜くて幸せな香りがするあの花のにおいだ!」と思い出した。
誰かの家の軒先に植えられた白い花で、ある時期になると満開になり、毎朝通るたびにクンクンしながら「ふぁ〜っ」と幸せに包まれて通学していました。
金木犀のように広く香る花だけれど、後にも先にもその花に出逢うことはなく、名前もずっと知らないままだった。
少し前にそのことをふと思い出して「あの花って何だったんだろう?どんな香りだっけ?」と考えたところだったので、思わぬタイミングでの答え合わせに驚いた。
エッセンスに入った香りの名前はガーデニア。
わからなかったので調べたら、やっぱりあの白い花だった!
ガーデニアはクチナシのこと。「あの花の正体はクチナシだったのかぁ〜」
なんだか嬉しくなって、毎日エッセンスをクンクンしている。ふわっと香るたびにあの頃の幸せな気持ちが蘇ってくる。
わたしは小学生の頃、見た目も性格も男の子みたいで女の子らしさのかけらもなかったのだけど、花の香りひとつでこんなにも満たされるのだから、やっぱり中身は女の子だったんだなぁ〜とほっこりしました。
ちなみに、その花が咲く家の前にはぶどう畑があって、雨上がりには大きな水溜りができる。
その水溜りにおちた油の美しい虹色を見て、わたしは「色」が大好きになったんだ。
あの家の住人には逢ったことがないけれど、レトロなこげ茶色した扉の向こうにはきっと、わたしの知らない世界へといざなう不思議な魔女が住んでいるに違いない。
そんな妄想を膨らませながら、6年間あの道を歩いていた。
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