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目に見える世界の、その奥へ。


「目に見える世界の、その奥へ。」

見えているものは
世界のほんの一面にすぎない。

風景の奥には
積み重なった時間があり

ひとつの生命には
環境や記憶のなかで
生き抜いた痕跡が刻まれている。

人もまた
姿だけでは
語り尽くせない。

私は
現象の背後にひそむもの
形になる前の気配や

目には見えないところで働く成り立ちに
惹かれてきた。

奥を見るとは
目に映るものの内側へ
視線をそっと置くこと。

浮かび上がる文脈や
まだ姿を持たない可能性に
耳を澄ますこと。

その視線はやがて
自分の内側にも向かっていく。

記憶
感覚
身体に残る知。

失敗や偶然もまた
めぐりのなかで形を変え
思いがけない場所で
芽を出す。

すでにあるものを見つめ直し
異なるものを結び合わせ
新たな世界を生み出すように

染めた和紙を切り
重ね
ひとつの世界を織りなす。

手を動かすたび
時間は折り重なり
異なるもののあいだに
かすかな呼応が生まれる。

そこにあるのは
美しさの奥にある揺らぎ。
静けさの奥にある力。
生命の奥にある混沌。

作品の前で
目に映るものから
奥にあるものへ
想像が静かにひらいていく。

見えている世界の、その奥へ。


見えないものに触れ
そこから立ち上がるものを
さらにその先へとつないでいく。

その往復のなかに
私の制作はある。

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「Chaos #01」 アルシュ水彩紙/鉛筆
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#実験的作品



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